雑貨屋ブルドック各務原店跡

<雑貨屋ブルドック各務原店跡>

 大垣市の隣の隣、各務原市です。撤退されました。今日現在、テナント募集中です。賃料は未定。車で一度入ると、出るのが大変ですけれど、なかなか良い場所です。どこかの企業様、借りてください。

 元ブルドック社員としては残念な限り。在職中は応援で幾度も訪れたことがあります。思えば不思議な店でした。実生活に絶対必要な商品は一つもありません。5年在職中、欲しくなって買ったのはドクロのガラスビーズだけ。プレゼントに買ったものも、ゴッホの「ひまわり」のパネルポスター1枚きり。結局渡せず、今も西河度店の倉庫に眠っているはずです。

 かつての職場に、全く別な立場で訪問するのは感慨深いものがあります。「こんなはずではなかった」とつい呟いてしまいます。この先の自分は一体どこへ向かって行くのやら。

 僕が買ったゴッホの「ひまわり」は、確か「花の数14型」とよばれるもので、24、5年ほど前に安田海上火災が58億円で購入したもののコピーだったと記憶しています。ゴッホが生前、彼の画は一枚(赤い葡萄畑をアンナ・ボックが?)しか売れなかったそうです。価格はたったの400フラン。約100年後、58億円というとほうもない金額で、自分の画が、憧れの日本の地で取引されることを知ったら、彼は何を思うのでしょうか。繰り返し小説や映画にもなり、世界的に知られる著名な画家となった未来をもし知ったとしたら、彼はどんな感想をもらすのでしょうか。自分をピストルで撃ち、或いは誰かに撃たれた(僕はこの説をとります)後、画商で最愛の弟テオに看取られながら、最後に呟く言葉はやっぱりこれでしょう。

「人間の苦しみは永遠に終わらない」

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