近所の廃屋 #2
仕事柄、日頃より近隣の空地や空き店舗の把握は怠りません。まるで検索ボットです。
問題は空家なんですよね。廃墟マニアの僕にとっては宝物ですが、不動産としての商品価値は微妙です。オールドタイプで保存状態も悪く、活用しようにも巨額の修繕費が予測され、かと言って取り壊すにも大きな費用が必要だし、更地にすると往々にして固定資産税は高くなるし、仕方がないからと放置すれば民法717条の工作物の所有者責任の問題もあり・・。全国的にも問題になっているそうで。意外に身近の問題でもあります。祖父母の家が今は空家で、なんて話は珍しくもありません。
我が国には、所有権放棄の制度がありません。長く放置され、問題になってからようやく調査が始まり、そのころには所有者も不明でさらに放置され、ようやく国庫帰属です。相続人不存在が明確でも二年近くかかるとか。国の資産が増えるわけですが、行政側から見ると雑用と問題の増加でしかないようです。それなら独居老人には遺贈を受ける受贈者として身寄りの無い子供をコーディネートすればいいのに、と考えてしまします。「solid state society」の話ですな。
相続人のいないものは、この廃屋のようにただ朽ちて、やがては消える運命なのでしょうか。僕自身の未来の暗示でもあります。
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